スー163
こんな身体になっちゃったら……父さんに会わす顔、ないじゃない。それに、血液パックからとはいえ……血を吸っている所を見られたら……だから、ここの街を治める異端種の長に、世良さんを通して父さんを単身赴任させるよう手筈を整えて貰った。
父さんはもちろん、いつも通りあたしを連れて行こうとした。あんな事件があった後だし……卒業までここにいたい、とあたしが駄々をこねたのはもちろん利いたけど……何より、世良さんが面倒を見てくれるというのが決め手だった。
あたしを無事に(……ホントは無事も何もあったもんじゃないんだけど……)連れ戻してきてくれた世良さんへの、父さんの信頼は絶大なもので、『世良さんが面倒を見てくれるのなら……』と渋々承諾してくれた……本当に、父さんには申し訳ないんだけど……
日が傾いてきている。部屋が薄っすらと赤く染まり始め、部屋の壁にあたしの影が映し出されている。
幸一君と同じように……影も、罪も、闇も、あたしは背負っていかなくてはいけない……
「……早く帰ってきてよ」
ソファに突っ伏し、窓から見える赤い陽を見つめながらあたしは力無く呟いた。